
FXを始めたいけど資金は減らしたくない。
または、

FXをしていて強制ロスカットを食らってしまい資金を大きく失ってしまった。
このような方の以下のような疑問にお答えします。
- 強制ロスカットを回避するにはどうやって設定をすればいいのか。
- 強制ロスカットはどれだけ余裕を持った設定にしておけば安心?
- 強制ロスカット設定は何を参考に決めればいい?
→過去チャートと1日の変動幅を参考に決定
強制ロスカット設定の正解はだれにもわからない
- 強制ロスカットを回避するにはどうやって設定をすればいいのか。
- 強制ロスカットはどれだけ余裕を持った設定にしておけば安心?
→残念なことに明確な答えを出せる人は一人もいません。
強制ロスカット設定では過去のチャートなどを参考にして、自分が納得した上で設定を行うことで失敗した際の後悔を最小化するしかありません。
たまに他人の設定を訳も分からず真似して失敗する人がいますが、しっかりと根拠を持って設定することをおすすめします。
それで失敗しても、納得できるからです。
自分でしっかり考えたうえで「これくらいリスクオフしていればいいでしょう!この設定でダメだったらしょうがない」という気持ちになるまで吟味することをおすすめします。
強制ロスカット設定は過去チャートと1日の変動幅を参考に決定
- 強制ロスカット設定は何を参考に決めればいい?
→過去チャートと1日の変動幅を参考に決定
そこで参考になるのは過去チャートです。
米ドル円で説明します。
強制ロスカットをどこに設定するかはチャートを日足、週足、月足のどれで眺めるかでだいぶ印象が変わっていきます。
米ドル/円の過去チャート(日足、週足、月足での見え方の違い)
以下に日足、週足、月足のチャートを示します。
・米ドル円の日足チャート 期間:2019年1月1日~2020年2月29日
この期間の米ドル円は1ドル104~112.5円付近のレンジ相場で上下を繰り返しており、レンジ幅は約8.5円です。

・米ドル円の週足チャート 期間:2016年8月~2020年2月頃
この期間の米ドル円は1ドル102~118円付近のレンジ相場で上下を繰り返しており、約6円のレンジ幅です。

・米ドル円の月足チャート 期間:2008年3月~2020年2月
この期間の米ドル円は1ドル75~125円付近のレンジ相場で上下を繰り返しており、約50円のレンジ幅です。

上記の3グラフから分かるように、どれくらいの期間でチャートを見るかによって印象がかなり変わってくると思います。
日足チャートで過去1年間くらいを見た限りでは、104円付近に近づけばまた上がるだろう思いがちですが、月足チャートで2008年から現在までのチャートを見ると、日足チャートで見ていた過去1年間のチャート変動幅がいかに小さいものかわかると思います。
過去チャートの期間によって導き出す答えはバラバラ
強制ロスカット設定を考える上で、週足グラフで示した過去3年間分のチャートを見て

「今後も102~118円付近で推移していくはずだから、さすがに100円ラインは超える可能性は低いだろう。」
と考え、強制ロスカット設定を100円付近に設定する人がいる一方で、
”100年に1度の金融危機”と呼ばれるリーマンショックや東日本大震災での為替変動を折り込んだ月足チャートの過去12年分のデータをみて、

「75円付近まで円高になることも今後あり得るだろう。」
と考え、強制ロスカット設定を75円付近に設定する人もいます。
このように、強制ロスカット設定は各個人がどう考えるかによってどうとでも理由付けして設定することが出来ます。
トラリピ運用は長期チャートでの設定をおすすめ
トラリピ運用は長期を想定しているので、2008年のリーマンショックを折り込んだチャートでロスカットレートを設定することをおすすめします。
個人的には、日足チャートを見てドル円価格108円時点で100円付近に強制ロスカット設定をするように、日足程度の短期間をみて設定をするのは非常に危険だと思います。
実際にアップルショックやコロナショックなどの○○ショックと呼ばれる、短期間に急激に相場が下降するフラッシュクラッシュでは一瞬のうちに4円などの数円単位での暴落が発生しており、この程度の変動は少なくとも1年に1回程度は起きています。
参考までにフラッシュクラッシュについてはこちら↓の記事にまとめています。
トラリピは資産運用の目的で長期的に運用していくので、少なくとも数年単位、出来ればリーマンショックを折り込んだ10数年単位でのレンジ相場を想定しておいたほうがいいです。
「1日の為替変動幅」も重要
強制ロスカット設定をする上での考慮すべき事柄として、”1日の変動幅”も無視できないです。変動幅とは為替の安値と高値の差のことです。
過去に実際あった1日の変動幅が大きかった出来事ベスト3は以下となります。
- 2016年6月24日 Brexit:イギリスのEU連合離脱 8.505円 円高
- 2008年10月24日 リーマンショック 7.31円 円高
- 2010年5月6日 NYダウ フラッシュクラッシュ 6.16円 円高
数年に1度の頻度でこのような大暴落が発生しています。
したがって、過去チャートから強制ロスカット設定をするのもいいですが、現在の為替レートから強制ロスカットレートまで余裕が十分にないと危ないこともわかります。
上記の1日の変動幅ベスト3より、出来れば8.505円以上の余裕がないといつか資産を飛ばす可能性が高いということです。
↓の記事で過去12年間に発生したフラッシュクラッシュの実例や頻度、為替変動幅についてまとめています。
まとめ
トラリピで長期運用を想定している場合、強制ロスカットレートを設定する上で重要な点は下記です。
- リーマンショックを折り込んだ長期チャートを参考にすること。
- 1日の為替変動幅も考慮できればさらに安心。
まず過去チャートを参考に強制ロスカットラインを設定し、現在の為替レートから8.505円以上余裕があるかどうかを確認し設定するのがいいかと思います。
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